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川内香/信頼性情報システム工学科4年

 私は今回の協定校訪問プログラムに参加して、海外の企業や大学の様子を知ることができたり、フランスの方との交流ができたりと新しい発見が多く本当によい経験となりました。特に私は来年から就職するので海外の企業訪問に興味があり、とても勉強になりました。

 最初に訪れたのは、素粒子や原子核といった基礎物理学分野を研究しているCERNというところを訪れました。CERNはスイスとフランスの国境をまたぐ地域に研究所や実験施設があり、地下には全周27㎞の円形加速器が国境を横断して設置されています。この円形加速器、LHC(Large Hadron Collider:大型ハドロン衝突型加速器)と呼ばれる施設で、ビッグバンを再現し、宇宙の起源やどのように宇宙に生命が誕生したかを解明しようとする計画が行われていることを最近のニュースを見て知っていたので、実際にCERNを訪れられるということでとても楽しみでした。そしてこのLHCでは、この地下に埋められた全周27㎞の円形のトンネルの内部に巨大な電磁石を並べ、高エネルギーの陽子ビームをどんどん加速させていき正面衝突させるそうです。説明を聞いているときは理解することが大変でしたが、実際に施設を見学してコイルや加速器を見ながら説明をして頂いたのでわかりやすかったです。図1は加速器の模型です。このひとつひとつのつぶれた球のなかで、陽子ビームの波を共振させていくことにより陽子を加速させていくのだそうです。実際に使われている加速器はもっと大きく、衝突するときの陽子の速度は光速に近いそうで驚きました。宇宙の誕生の謎というのは、謎であるがゆえに人々の興味を強く惹きつけるのだと思います。未知の粒子の発見やビッグバン後の宇宙の様子を知ることが出来る日を楽しみにしたいと思います。

図1 加速器の模型
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 次に訪れたのはカイエという1819年に創業したスイスチョコーレートの老舗の会社です。1929年からはネスレの傘下にある会社なのですが、私はカイエのチョコレートは日本で見たことがないため知りませんでした。しかしチョコレートは大好きなためとてもわくわくしていました。このチョコレート工場の訪問では、工場内のミニツアーや映画の上映、そしてチョコレートの試食がありました。カカオ豆からチョコレートになるには、カカオ豆を細かく砕き、砂糖やバターなどを一緒に混ぜ合わせて出来るのだそうです。実際にカカオ豆を見せて頂きましたが、割って中の様子を見たりしたのは初めてでした。他にもチョコレートの歴史を知る資料や、さまざまなチョコレートの型があり、スイスだけではなく世界の人々に愛されるチョコレートを作り出す創意工夫を常にしているのだと感じました。

図2 袋に詰められているカカオ豆
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 そして次の日はサボア大学の訪問に行きました。周りは壮大な山々ととてもきれいな湖のある、静かでとても環境に恵まれたところだと思いました。同じ工学部としてどのようなことを学んでいるのかなと思いました。大学の形態としても日本の大学とは違い、2年目から工学分野の選択を行い専門的なことを学んでいったり、TOEICの700点以上を取ることが卒業の必須条件であったりといろいろと複雑そうな印象を受けました。専門分野は以下の4つの分野でした。
 LCME : 分子科学と環境の分野
 LISTIC : コンピューターサイエンス、システム、情報と知識処理の分野
 LOCIE : 環境のためのバイオテクノロジーとプロセス工学の分野
 SYMME : メカトロニクスのためのシステムと材料の分野
どのような分野がこの大学にはあるのだろうと思っていたら、香川大学の工学部とあまり変わらない分野であったので、わかりやすかったです。やはり私としては、自分が専攻している分野の研究に非常に興味がありました。2)のLISTICが私の専攻している分野と似ている分野なのですが、プレゼンテーションをして頂いた二つの研究は以下のようなものでした。
手元にある携帯(i-Podタッチのようなタッチ式でパワーポイントやワードなどを見ることができる小型の携帯電話のようなものでした。)をいじることにより、サーバが操作命令を認知して離れたままでもデスクトップ型パソコンを操作できるようにする。
モノの断面の内部状態を2次元で表して解析していくことによりコンピュータ上で3次元でも表現出来るようにし、モノの内部状態において材質の偏りがないかを分析する。
例えば①は旅先などでも自分のパソコンが操作できたりすることなどが目的で、②は山の内部を解析し土砂崩れなどが起きそうなところを事前に把握するリスク管理をすることなどが目的である研究でした。②のリスク管理は私の研究室でもやっていることなのでわかりやすく興味もあり、またとても親近感が湧きました。そしてどこの大学生も頑張っている!と思い、私も頑張らなくては!という触発を受けました。

図3 ①の研究の概要図
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 次の日はSNRというベアリングの会社を訪問しました。恥ずかしいことながら、私はベアリングというものの存在を今回の協定校訪問プログラムに参加するまで知りませんでした。自動車や産業機械、航空関連の部品に使われている回転や往復運動をする部分に用いられ、荷重を受け、軸などを支持する部品でした。軸を滑らかに回転させるために軸に対して立て回転や横回転、そして斜め回転までするようないろいろな種類のものがありました。大まかに言えば大きい輪っかと小さい輪っかの間に滑りをよくするための小さな球が潤滑油的に並んでいるような仕組みでした。幅広い用途があるため、見学した品質の管理ラインでは様々なことを想定して品質管理の徹底に努めていました。泥水と塩を混ぜた溶液の中での回転や高温での回転、さらには何千時間にもおよぶ長期の回転がありました。私はひとつの小さな部品といえどもそれが世に出るようになるまではいろいろな実験を気の遠くなるまでして安全の確認をしなければならないのだと、改めて品質管理の難しさをしりました。

 最後に、私は今回の協定校訪問プログラムに参加できて、本当によい経験が出来たと思います。中でもやはり企業を見ることができるということは大きな魅力でした。私の専攻する分野でない分、このような企業があったのかという発見がありましたし、いかに今まで自分が周りに溢れる情報に無頓着で生きていたのかということに思い知らされました。これからは、いろいろなことに興味を持ち、幅の広い人になりたいと思いました。また、フランスというところも、本当に風土も人も気持ちのよいものばかりで行くことができて嬉しかったです。サボア大学を訪問した日の夜の交流会では、初めはお互い距離があったのですが、スポーツを通すことによって残念である気持ちや嬉しい気持ちを共有することにより終わりの頃はとても仲良くなったと思います。私にとって海外に行くことは一期一会を大事にしようと思わせるものになりました。また海外に行く機会が今後あれば行きたいと思います。