山田圭祐/材料創造工学科3年
今回の協定校訪問は、私にとって初めての海外ということもあり、不安や心配な事もあったが、それ以上に新しい経験が出来る事に大きな期待があった。ヨーロッパに到着すると今まで見た事がない世界が広がっておりとても感激した。また、協定校訪問ということで、大学や研究所への訪問、現地の学生との交流など、普通の旅行では体験できないことを体験した。私にとってこの二週間の旅は、自分自身のステップアップとして大きな意義があったと思う。
私は9月13日の朝にオーストリアのウィーンに到着し、二日ほど観光した後、ドイツのミュンヘンに移動しコアスケジュールへ参加した。ミュンヘンではミュンヘン工科大学やシーメンスを訪問させてもらった。その後ボンへ移動しボン=ライン=ズィーク大学やフラウンホーファー研究所を訪問させてもらった。ここでコアスケジュールは終了し、その後アーヘンやデュッセルドルフに立ち寄って日本へ帰国した。今回の協定校訪問は、コアスケジュールの前後の日程は自分で自由に決める事が出来た。現地集合、現地解散という仕組みは、自分の行きたい所に行ってみるなど、自分自身で旅のプランニングが出来るという面白さがある。このことが中学生や高校生が行く修学旅行とは違う所であり、社会人の一歩手前である大学生としての研修旅行をする事ができた。
?コアスケジュール
ここからはコアスケジュール中のことについて記述していきたいと思う。
初日の夕方にコアスケジュールのメンバーが宿泊先に集合した。久しぶりに日本語が飛び交う環境になったので、少し不思議な感覚であった事を覚えている。
2日目の午前中にはミュンヘン工科大学を訪問させて頂いた。宿泊していたホテルから近い場所だったので歩いて行った。キャンパスは非常に広く綺麗な所で、キャンパスを行きかう学生もイキイキとしているように思えた。最初はミュンヘン工科大学の職員の方に大学の紹介をして頂いた。つぎに、バスケットロボット、道案内ロボットを見せて頂いた。特に道案内ロボットはセンサーを使い人の位置を把握しその方向へ向いて喋っており、その時のロボットの表情も豊かで、感動した。
道案内ロボット
次に建築に関する研究を行っている教授に講義をして頂いた。教授は日本語が上手く、英語が苦手な私でも内容を理解する事ができた。その後ミュンヘン工科大学の学食で昼食をとった。世界でもトップクラスの大学で昼食を食べられたので、現地の大学生の気分を味わう事ができた。
学食の様子
午後からは、ドイツで20年以上暮らしている日本人の谷村さんにドイツの歴史について講義して頂いた。ドイツの王国時代の貴族の話や、政治、戦争などを面白可笑しく冗談や雑学など交えつつ説明してくれた。その後、実際にミュンヘン市内を探索しながら歴史的な建築や石像、有名な市場やレストランなどを紹介してくれた。
3日目はシーメンス研究所を訪問させて頂き、数人の職員の方が様々な技術を紹介してくれた。特にセンサー関連では世界でトップクラスの技術を持っており、その技術を目の当たりにし、非常に感動した。その後、シーメンスの社内食堂で昼食をとり、午後からは鉄道に乗りBMW博物館に行った。博物館は近代的な雰囲気の内装で、BMWの歴史や未来の展望を、実際にその時代の自動車やバイクなどを見物しながら知ることが出来た。
4日目は鉄道にのってボンへ移動した。ボンはミュンヘンと比べて比較的静かな所であった。中央の広場には活気があり綺麗な街並みが広がっていた。この日はベートーベンハウスや教会など観光名所を幾つか回った。
5日目はボン=ライン=ズィーク大学を訪問させて頂いた。まず大学の紹介をしてもらい、次にセンサーを用いた安全装置の技術などを紹介してもらった。その後、大学で行われている研究や技術を見学させてもらった。その中でも特に印象に残っているサービスロボットは、机を拭いたり人間の動きの補助をしたりと様々な事が出来るように設計されており驚いた。その後はボン=ライン=ズィーク大学の学食で昼食をとり、午後から私たち香川大学の学生によるプレゼンテーションを行った。決して上手くはない英語での発表であったが、真剣に聞いてくれたので嬉しかった。その後、現地の学生に折り紙を教えたりしながら交流した。
現地学生との交流
6日目はフラウンホーファー研究所を訪問させて頂いた。そこで説明してもらったレーダー技術は非常に高度なものであり、正直なところ説明はあまり理解する事ができなかった。しかし、映像や実際のレーダー図を見せて頂いてそのクオリティーに驚いた。
研究所のレーダー
午後にはケルンへ移動しケルン大聖堂を見学した。松島先生に建築物としての価値や構造、見どころを解説して頂いた。実際にケルン大聖堂を見るとその荘厳な雰囲気に圧倒された。
ケルン大聖堂
?さいごに
私は今回の協定校訪問に参加できて本当に良かったと思う。学生時代に一度は海外へ行きたいと思っていたが中々きっかけをつかむ事が出来ずにいた。その時に協定校訪問を知り「このチャンスを逃してはいけない。」と思い参加を決意した。実際に行ってみると様々な光景や体験に毎日感動した。また工学部の一員として海外の大学や最先端の技術に触れられたことは大きな経験となった。国際化していく社会に生きる私たち学生にとって、この旅は大きな意味があったと思う。