「受賞」竹之内彩花(学部生)創造工学部後援会長賞
2024年3月、竹之内彩花さん(学部4年生)が創造工学部後援会長賞を受賞しました。
卒業論文タイトル:
四配位金属錯体における配位子場分裂の歪みの効果
論文の概要:
金属錯体の伝導性?磁性?光応答性などの物性は、中心金属のd軌道の配位子場分裂を変化させることで制御可能である。しかし、配位子場分裂を自由自在に変化させる方 法が確立しておらず、未だデバイスへの応用等には至っていない。現在までに、温度? 光?圧力など外場の変化により配位子場分裂を変化させ、分子の磁性が可逆的に変化するスピンクロスオーバー(SCO)を発現させる研究は、新規外場応答型デバイスの開発として行われている。
卒業研究では、分子の磁性が可逆的に変化するスピンクロスオーバーの報告例が少 ない四配位金属錯体に、分子構造の「歪み」という新たな外場を与えることで、配位子 場分裂とスピンクロスオーバーの関係を理論的に解明することを目的とした。特に、平面四配位を取りやすく、スピンクロスオーバーの発現が期待できる d8 系四配位金属錯体に着目し、研究を行った。
この研究により、スピンクロスオーバーが発現する際の歪みのパラメータτ4の大きさは、配位子場分裂の大きさや配位能力に関係していることが明らかになった。また、 τ4が小さくなるにつれて配位子場分裂が大きくなる原因として、中心金属の d 軌道と配位子のp軌道との三次元空間的な広がりと重なりの変化が影響していることがわかった。
本人コメント:
今回、創造工学部後援会会長賞をいただくことができ大変光栄です。大学では専門分野の勉強はもちろん、専門外の勉強ができます。私は大学で様々な授業を受けることにより、少しでも知っていることが増え、興味の幅が広がっていった気がします。研究や開発でも全く関係のないことからひらめくこともあるという話はよく聞くので、専門分野とは直接関係はなくても様々な分野に触れてみてください。(华人策略论坛,华人策略网站6年3月、たけのうちあやか)