大学院生の磯野舞奈さんと増田陽仁くんがタイ王国で開催された国際会議でThe Best Paper Award をダブル受賞しました。
　8月30、31日、9月1日の期間、タイ王国のパタヤにおいて、International Conference on Science, Technology and Education 2024 (ICSTE2024) が開催されました。科学、工学、教育全般の内容について、日本人教員?学生、タイの教員?学生が一堂に会して学術論文発表会を行いました。大学院学生は、国際会議参加前にあらかじめ４ページのプロシーディング論文を投稿しました。その内容について、磯野さんは口頭発表、増田君はポスター発表を行い、論文内容と発表内容が学術的に素晴らしいとふたりとも認められたため、ダブル受賞になりました。

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【増田くんの研究概要】

　「化学吸着単分子膜を用いた固体高分子形燃料電池電極触媒の高効率化」
　近年、地球温暖化の進行に伴い、クリーンな発電方法として燃料電池が注目されている。燃料電池は、水の電気分解と逆の原理であり、水素と酸素を原料として発電するシステムのことで、発電効率が高く、二酸化炭素が排出されないという利点がある。
　固体高分子形燃料電池(PEFC)は、電解質膜として固体高分子膜(Solid Polymer Electrolyte: SPE)が使用されている。低い作動温度により取り扱いが容易であり、運転操作性が優れている。また、小型かつ軽量なセル設計が可能であることから燃料電池自動車、一般家庭用電源などに使用されている。従来のPEFCの触媒層では、白金ナノ粒子が炭素に担持されている構造をもつがこの構造には問題がある。
　そのため本研究では、化学吸着単分子を介して白金ナノ粒子を直接固定することで、担持体炭素を用いない、触媒層の新しい代替え構造を作製し、燃料電池の高効率化を目的とした。電解質膜としてアクイヴィオン膜を使用し、その表面に白金ナノ粒子を載置する新技術を開発した。実験においては、発電に使用するMEA（Membrane electrode assembly）を作製し、燃料電池ユニットに組み込み、発電効率を測定した。

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【増田くんのコメント】
　私は、人々の生活に役立つものづくりに貢献したいという思いから、製品の原料となる材料コースを専攻しました。実際に、地球温暖化対策に貢献する燃料電池の研究に取り組んできた結果、この度、このような賞を頂くことができ、大変光栄に思います。この賞を励みに、今後も燃料電池の高効率に向けた研究にさらに取り組んでいきたいと思います。
　また、国際会議を通じて、寺院や美しい建築物を巡り、タイの歴史について学ぶことができました。さらに、カオマンガイなどの郷土料理を味わい、象に乗る体験もでき、非常に楽しい時間を過ごすことができました。国外の方々との交流を深めることができたことも、非常に貴重な経験となりました。

大学院創発科学研究科修士課程１年生　増田　陽仁（ますだ　はると）

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The Best Paper Award, ICSTE2024

1) Haruto Masuda, Yu Kitaoka, Kazufumi Ogawa, Yoshifumi Suzaki:?
"Improving the efficiency of polymer electrolyte fuel cell electrode catalyst using chemically-adsorbed monolayers"?
Proceeding of International Conference on Science, Technology and Education 2024 (ICSTE2024),
Siam Bayshore Resort Pattaya, Chonburi, Thailand, (2024-8-30～9-1) pp.163～166.?

2) Mana Isono, Yoshifumi Suzaki:
“Preparation of ZnO Thin Films by Atmospheric Pressure Low Temperature Plasma with Water Vapor Mixing”,?
Proceeding of International Conference on Science, Technology and Education 2024 (ICSTE2024),
Siam Bayshore Resort Pattaya, Chonburi, Thailand, (2024-8-30～9-1) pp.93～96.?

指導教員：須崎　嘉文（すざき　よしふみ）