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平成22年度協定校訪問(上野秀貴/知能機械システム工学科1年)

 

僕はこの交流プログラムに参加したのは、外国がどんなところか見てみたかったのと、英語の力を少しでもつけたかったからです。そこでまず、外国の街を見てみた感想を書こうと思います。

ヘルシンキ

ヘルシンキでの2日間はほとんどが観光だったので、日本(香川県)との違いなど、気付いたことを書こうと思います。

僕の感覚で、ヘルシンキの街を一言で表すと、「利便性よりもデザインを重視した街」です。一番初めにそう感じたのは、道が石を敷き詰めて作られていたことに気付いた時です。町の家と同じような色の石を使い、レンガ造りの家との統一感を出そうとしていたのかなと思いました。石作りの町の風景は、さすがヨーロッパの街だなと思いましたが、とにかくでこぼこしていたので、小さなタイヤの付いている旅行鞄を引いて行くのは大変でした。もう1つ、デザインにこだわっているのかなと思った町の作りは、駐車場の場所です。町中にある駐車場は、道の両脇に並んだ家々の内側にあって、そこに入るには、並んだ家に小さくあいているトンネルのような入り口から入るしかないため、その中に止めてある車はほとんど外からは見えないようになっていました。ただ、公共の駐車場はあまり見当たりませんでした。そのせいかどうかは分からないけれど、完全に町の風景になじんでいるとはいえ、路上駐車が多いのが気になりました。最後の2つはちょっとしたことですが、ヘルシンキの街の信号は、黒色で縦に長く、柱にくっつくような形で取り付けられていたので、日本の信号よりもはるかに目立たず、町の景観にあまり支障をきたしていませんでした。また、電線もほとんど通っていませんでした。

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次に、僕が感じたヘルシンキの家の特徴は、石造りで、暖炉の煙突が付いていて、雪かきのためか、煙突掃除のためか、どの家にも屋根に上るための梯子が付いていたことです。また、玄関に、かぎを開けるための暗証番号を入力するためのキーボードが付いている家もたくさんあって、防犯設備がしっかりしていました。

石造りばかり強調してきましたが、ホテルの近くにあった公園は、芝がきれいに整備されていて、早朝でもたくさんの人が、ランニングや散歩をしていました。そして、そのさらに向こう側に行き、石作りの街並みを抜けると、アスファルトの道にある現代風の街並みも広がっていました。道路には、自転車専用の道が設けられていて、たくさんの人が自転車で通勤していました。

最後に、ヘルシンキでの食事で紹介したいのは、初日に食べたサンドイッチのようなパンです。これには、パンに入れられた切れ込みに、マスタードで味付けされた肉とレタスが挟まれていたのですが、なぜかその中にメロンまで入っていて、その組み合わせにとても驚きました。

ロバニエミ

ロバニエミは、ヘルシンキとはずいぶん違っていて、朝には濃い霧がかかったり、車で移動すれば必ず湖を見かけるなど、雄大な自然が広がっていました。道はすべてアスファルトで整備されていて、制限速度は場所によって時速20キロ~100キロまで分けられていました。それから、針葉樹の森や地面はコケに覆われ、湿度が高くひんやりしていて、とても心地よかったです。

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僕たちの泊まった家は、木造で床暖房とサウナが付いていました。外の気温は氷点下でも、床暖房だけで室温は20度以上になり暑いくらいで、雪国の暖房設備は強力だなと実感しました。また、火力発電所で発電のために温められた水を各家庭に流して暖房として使ったり、法律で暖炉の設置を義務付けるなど、大きな規模でも防寒対策をしていました。

介護施設は、警備システムが厳重に働いていて、簡単に出入りできなくなっていました。また、プールやトレーニングルームの設備も充実していました。それから、介護される人の部屋すべてにカメラが付いていて、緊急時にすぐに対応できるようになっていました。

ロバニエミの大学は、キャンパス自体が大きく、食堂はバイキング形式で、デザインにもこだわっていました。特に、パソコン教室は、机の形が三角形になっていて、とても奇麗な印象を受けました。香川大学のようにパソコンと学生が交互に並んではおらず、椅子を回転させるだけで、学生同士が向かい合えるようになっていて、グループワークがしやすい座席の配置になっていました。

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▲図1 パソコン教室の座席配置

デザインにこだわっている分、教室に入れる人数は少ないので、少人数制だからこそできる作りだったんだなと思いました。

僕たちが見学した研究室では、開発がその土地にどのような影響を与えるのかを調べるための、シミュレーションシステムを作っていました。まだ未完成だったけれども、木の配置は実際のものと同じになっていたり、鳥やカエルなどの生き物もシステムに加えれるなど、とことんリアリティーにこだわっていました。もうひとつの見学した施設では、雪の上を走れるスノーモービルなどの乗り物の開発や、防寒服の性能を確かめるための人型のロボットなどを作っていました。また、温度が低い場合でもきちんと機械が動くように氷点下の気温にできる部屋を作り、実際にその乗り物を使うときと同じ状況を再現できるようになっていました。人型ロボットは、最初英語で説明を受けた時に、おそらく「いずれは人間のように熱を出したり、手足を動かせるようになる。」という説明だったのを、僕は、人のように歩いたりできるのかと思って、的外れな質問をしてしまいました。それでも、丁寧に答えてくださったので、自分の言いたいことはある程度伝えられたのかなと思いました。

上に書いたこと以外にも、車の中でベイコーさんや、ヤリーさんと話した時も、ジェスチャーをしながら、ある程度言いたいことは伝えられたかなと思います。けれども、相手が言った英語は、半分くらい聞き取れなかったし、突然何かを言われると、何の話題かすらわからないこともたくさんありました。それに、何とか伝えられたといっても、何度も言い返してやっと伝わるくらいで、スムーズな会話には程遠かったです。この交流プログラムに参加したもう一つの理由は、英語の力をつける事だったけれど、参加してみて、特に聞き取る力が足りないということを実感しました。また、表情なども関係してくるので、TOEICなどのテストでのリスニングとは少し違うとも思いました。これからも、外国に行ける機会があればその機会を必ず生かしたいです。

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