香川大学と香川県警察は、2010年から万引き防止に関する調査や取り組みを共同で実施してまいりました。その成果もあり、2009年まで7年連続人口1000人当たりの万引きの認知件数全国ワースト1位からも脱却し、ピーク時から大幅に件数が減少しています。しかしながら、2023年には万引きの認知件数が増加に転じたことから、香川大学と香川県警察は笑顔認証?寄付システムを活用した新たな万引き対策を提案し、2024年8月からソフトバンクとOne Smile Foundation、万引きGメンの伊東ゆう氏の協力を得て、実証実験を行ってきました。具体的には、笑顔認証?寄付システムと人型ロボットPepperを店舗に設置し、死角で客と店員に笑顔になってもらうことで万引き犯罪が減少するのか、笑顔が万引きしにくい店の雰囲気を形成するのかを実証実験を通して検討した結果、店舗の雰囲気が明るくなり、万引きの被害金額が7割減少することが明らかになりました。笑顔認証?寄付システムを活用した万引き対策は全国初のものであり、県民の皆様方への警察と大学の取り組みの周知をはかるべく報道のご協力をお願いいたしたく存じます。
日 時 2月14日(金)14:00~15:30
場 所 社会福祉総合センター1階コミュニティホール 〒760-0017 香川県高松市番町10-35
内 容
2024年8月から1つの笑顔を1円の寄付に変える笑顔認証?寄付システムを用いて、死角において客に向社会的行動としての笑顔を意図的に生起させることで万引きが減少するのか、笑顔が万引きしにくい店の雰囲気を形成するのかについて実証実験を行ってきました。検証の結果、ホットスポットといわれる万引きが起きやすい場所の人流が増え、店員とのコミュニケーションが増え、店舗の雰囲気が明るくなり、店員の印象が良くなることが明らかになりました。そして、万引きの被害金額が7割減少することが明らかになりました。また、成果をまとめたリーフレットも作成し、当日配布いたします。
こうした今回の取り組みの成果は問題を起こす人を特定して監視する社会ではなく、笑顔を意図的に作りだし、明るい雰囲気の中で問題を未然に防止する社会を目指す点に今後の発展の可能性があるといえます。加えて、店員不足の中、客や店員の動線を変え、人の目を最大限に生かして万引きの予防を行う今回の取組の成果は万引き防止の可能性を広げるものと考えられます。
◇お問い合わせ先
香川大学 教育学部 准教授 大久保智生
TEL:087-832-1530 E-mail:okubo.tomoo@kagawa-u.ac.jp
香川県警察本部生活安全企画課 次長
TEL:087-833-0110(内線3011)