香川大学工学部(学部長:大平文和)知能機械システム工学科の能見公博准教授研究室が開発した「テザー宇宙実験ロボット」が、8月31日(火)に宇宙航空研究開発機構(JAXA)の観測ロケットS-520-25号機(*1)により打ち上げられました。
地上約300km上空で、つり糸のテザー(ひも)によって宇宙空間で小型ロボットを制御する実験を行い、この実験によって得られた詳細なデータは今後の「テザー宇宙ロボット」の開発に役立てて行く予定です。「テザー宇宙ロボット」は、能見研究室で研究を進めている世界唯一の将来宇宙システムです。平成21年1月に打ち上げた香川大学衛星KUKAIも「テザー宇宙ロボット」の実験を目的としており、子機のKAIが「テザー宇宙ロボット」でした。
能見研究室では、これまで「テザー宇宙ロボット」を9機(TSR-1~TSR-9)製作し、航空機(*2)や落下施設(*3)を利用して微小重力実験を行ってきました。
今回は、宇宙実験を目指して、宇宙仕様であるテザー宇宙実験ロボット(TSR-S)を開発しました。KUKAIでは、通信回線にアマチュア無線を使用しておりましたが、今回の実験ではJAXAの専用通信回線を使用するため、KUKAIと比較すると桁違いの実験データを取得することができ、テザーの伸展、ロボット制御に関する学術研究解析を詳細に行うことができました。KUKAI、今回のTSR-Sは地域企業により製作されており、香川大学としての学術研究のみならず、地域企業が製作した宇宙機器に関しての詳細解析にも役立っています。
平成21年1月のH-IIAロケットでのKUKAI打ち上げ、このたびのTSR-Sの打ち上げと香川衛星開発プロジェクトでは実宇宙システムをどんどん宇宙空間へ送り出しています。
今回の成功で香川発の宇宙機は、これまでのKUKAIとあわせてて計2回、宇宙を泳いだこととなります。
地域の皆様、小中高等学校の子ども達にも是非「宇宙」に触れて頂きたく、オープンキャンパスなどで香川大学へお越しになり現場を見て頂ければありがたく存じます。そして、ものづくりとしての開発への参加、こんなことをしたいという夢、皆様と宇宙を通して語り合い、地域発の宇宙進出を実現していきたいと思っています。
(参考情報URL)
(*1) S-520-25 打ち上げ
http://www.isas.jaxa.jp/j/topics/topics/2010/0809.shtml
(*2) 航空機による実験
http://www.das.co.jp/new_html/index-static.html
(*3) 落下施設による実験
http://www.mglab.co.jp/index.html
【本件問い合わせ先】
香川大学 工学部 庶務係 田所
TEL:087-864-2000 FAX:087-864-2369
E-mail:koshomu1@jim.ao.kagawa-u.ac.jp
香川衛星開発プロジェクト事務局
E-mail:sat-sec@eng.kagawa-u.ac.jp