教育学部2年 小笠原紘恵 (2020年10月)
私は教育学部美術領域で、美術教育やデザイン、絵画や陶芸など美術教育者になるために大学で幅広く学んでいます。
私が丸亀市にある春日神社のアマビエの御朱印デザインや三豊市財田町のむかしばなし看板のデザインなど、香川県でのデザイン活動に携わるようになったのは、デザインをすることで地域に貢献することができるのではないかと考えたからです。
出身の三豊市財田町では地域復興や地域間でのイベントや交流が非常に熱心に取り行われています。私は幼い頃から地域の幅広い年代の方と交流する機会が多く、「絵を描くことが好きな子」というふうに地域の方から知っていただけていたように思います。そのこともあり、高校へ進学してから「財田のむかしばなし」絵本?紙芝居の原画を描いてみませんかと声をかけていただき、今の活動に繋がっています。私の活動は、地域の方や友人、恩師など多くの方の支えや協力があって 成り立っているのだと感じています。
小笠原さんがデザインした財田のむかしばなしの看板
小笠原さんがデザインした財田のむかしばなしの看板
春日神社 アマビエ御朱印
制作にあたり、意識したのは「求められているものになっているか」ということです。財田のむかしばなしでは、次世代の子どもたちを中心に地元に伝わる昔話を知ってもらうことを目的としています。そこで、子どもたちに興味を持ってもらうにはどのようなデザインであるべきかを考えデザインをしています。
私がこれまでに携わったデザインは、次世代に繋がるものになると考えています。看板や御朱印を見てくださった方、私の活動を知ってくださった方が、より地域に誇りを持つようになったり、そこから影響を受けて地域復興に携わるようになったりと、地域間でそういった刺激の連鎖を生むことができたとき、私はこの活動をやって良かったと改めて感じるのだと思います。
制作に携わったことで、改めて考えるようになったのが地域への誇りです。香川県には地域での繋がりを大切にし、地元を愛する方が多くいるように感じています。私は活動の中で香川県の幅広い年代の方と接してきました。様々な方の思いや考え方、生き方に触れ、私の住む香川県にはこんな素敵な方がいるのだと感じる場面が非常に多くありました。
デザインは、視覚的に物事を伝えるだけでなく、制作に込められた思いを伝え、見た人の生活や人生に影響を与えることができるものだと考えています。子どもから高齢者まで気持ちが明るく元気になれるようにとの願いを込めて描いた御朱印のアマビエ。御朱印を受けてくださった全国の方から、「元気がもらえました」という温かい声をいただきました。
香川県でデザインに携わるには、自分から動き、人と繋がりを持つことが必要です。私は消極的で、自分に自信を持つことができないでいました。しかし、制作に携わる中で、自分が自信を持っていないとデザインにもその自信の無さが表れてしまうと気づき、自分を変える努力をするようになりました。私はこれまでの活動に留まらず、今後も香川県でデザインの活動を続けたいと考えています。そして卒業後、香川県の地域教育に携わることを目標に学び続けます。