小児科医の世界を覗いてみました
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第9回JACEイベントアワードを受賞!!

取材日 2024年1月10日
Kadai SALON(会報第4号掲載)

香川大学医学部附属病院 小児科
川口幸穂 Yukiho Kawaguchi
(医学部 2019年卒)

『Kadai SALON(会報第4号)』の誌面に掲載しきれなかったインタビュー記事をご紹介します!

香川大学を志望した理由を教えて下さい
外資系のコンサルティングファームに6年勤務した後、自分の好きなことに方向転換する最後のタイミングかと考え、医学部の中で編入を受け入れている香川大学に進学しました。
社会人を経験している方は分かると思うのですが、改めて勉強するのは、楽しい?面白いという気持ちが大きく、学生になる事への不安はありませんでした。

小児科医を選ぶのはどのタイミングですか
最初は、病理に興味を持っていました。学生実習が2年間義務付けられているのですが、実習していく中で病理よりも患者さんと接する所の方がやりがいがあるなと思い、臨床していきたいと思うようになりました。あとは、病院実習では年齢層の高い方が多く、逆に小児科に興味を持ちました。若い方は近くの診療所に行かれるパターンが多く、高齢者は総合病院の割合が多いのだと思います。実習などで、元気に治って帰っていく子どもたちを見て、将来ある子どもたちに医療で還元できることがしたいな思いました。

29歳のタイミングで医学の道を選ばれた訳ですが、他の選択肢はなかったのですか
選択肢はいろいろ考えました。
今の会社でトップまで登りつめる、転職を考える...コンサルティング会社で働いていたので,転職先は大手企業だったり、ベンチャーだったりとかなり選択肢は沢山あるのでそちらも考えました。
ですが、ビジネス関連以外の所に自分の身を置きたいと考えました、どうやってお金を稼ぐかということを考えることは得意じゃないかなと思い、小さいときから好きだった、生物学や医療に従事したいと考え医学部に編入を決めました。

お仕事されていてやりがいを感じる時ってどんな時ですか
子どもなので治りが非常に早くて、入院時にぐったりしていた子が加療をしてあげるだけで元気に帰っていくところが一番やりがいがあります。
あと一つ思っているのが、きっかけは風邪だったり咳だったりできた人が別の家族的な背景だったりとかちょっと気になることだったりを見つけて拾い上げて別の専門機関に繋げるとこができた時はよかったなと思います。

前職と比べるとより人との関わり方が密接になりましたか
人との関わり方がよりプライベートな所に関わるようになったかなと思っています。
特に小児科という面で言うと、患者さんは子どもですが、家庭そのものを見ないといけない背景があることもあります。そのため、かなりプライベートな面に寄るようになったなと思います。
前職もかなりディスカッションしたり、お客様との議論をやってはいましたが、どうしてもビジネスの話しかしないので、プライベートなところには触れることはなかったですね。

この仕事の難しいところはどんなところですか
治療方針が分かりやすい時は良いのですが、方針決定に悩むときがあるのは難しいところです。また、生活の質が変わってしまったり、人生や成長発達に影響を与えることもあるので、病気を治すだけではない難しさもあります。
あとは、常に知識をアップデートし続けないといけないので、年々、記憶力が衰えていく中でアップデートしていくのは大変だなと思います。

病院の仕事が忙しい中で「ティラノサウルスレース」の準備?実行に関わり開催したのはどうしてですか
最初は、こんまり、恐竜が浜辺を走ったら面白いかな、そこに病気の子どもを呼べたらいいかなと思っていたら、手伝うと言って下さる方がどんどん増えて、そのおかげでしっかりとしたものができてしまって、大きなイベントになりました。場所を押さえ、教授にもこういうことをやりたいと報告し協力の許可をいただくと引き返せなくなっていました。後は、夫の協力も大きかったです。 家族には、最初内緒にしていましたがサプライズで、ティラの着ぐるみを着て家の中に隠れてからジャジャーンと飛び出し、家族にイベントをすることを報告しました。子どもはその姿に大泣きしました。夫は「なぜ、最初から言ってくれなかったの、そういうことを一緒にやる夫婦でありたいのに、何で途中からなの」と言ってもらい、素敵な人だなと改めて思いました。そこから スタッフとして協力してくれ、イベント開催をしてくれました。

香川大学に入って良かったなと思うところはありますか
少し地方の大学だからだと思うのですが、結構、同窓会の繋がりだったりとか、上下の繋がりだったりそういうところは割と密なのかなと思います。卒業した同級生の3/1位は香川大学に残りましたし、半分くらいは香川県に残るのではないかと思います。卒業した後も解散という感じはなく、何となくずっと繋がりがある感じです。親戚繋がりだとか、人の繋がりの密接さは都会の大学とは違うと思います。

学生時代、キャンパス内でよくいた場所、オススメのところはありますか
ラウンジによくいました。講義棟のある1階に自動販売機や椅子があって、囲碁が趣味なので同じ年の友達と囲碁をしていました。学食も好きです。サーモンユッケ丼に納豆をトッピングして食べるのが好きでした。

大学の周辺でよく行っていたお店とかありますか
お昼に時間がある時は「あずま」といううどん屋さんに行っていました。あとはちょっと車で走らせて、ひとりしゃぶしゃぶのお店に行っていました。

香川大学の後輩の皆さんに、こういう事をやったらいいとよか、こういう風に過ごしてみてくださいといったような、経験から言えることをお願いします
こういうことやったらいいのになとか、こういうことが出来たらなとかモヤモヤとした思いはあるけど行動に移せない人ってたくさんいると思うんです。
学生である今だからこそ、そこから一歩だけ進めるとしたら何ができるかというのを是非考えて進めてもらったらいいのかなと思います。ティラノの時はやりたいなというモヤモヤした気持ちからまずは、場所だけ確保しようと行政に電話するという第一歩を踏み、一歩目が踏めたら二歩目?三歩目と進んでいけました。モヤモヤした気持ちがあったら是非、最初の一歩だったら何が出来るかなを考えてその一歩を踏んでもらいたいなと思います。