香川大学では2022年4月より、各部署で業務DXを推進する職員をデジタルONEアンバサダーに任命し、今年度は67名が活動しています。今年度の業務DXの取り組みについて、74件の報告がありました。報告件数の過半数はチームでの応募であったことが今年度の特徴で、DX推進の活動の輪の広がりを実感させました。

12のチームと個人が、3月14日に情報化推進統合拠点のコモンズスペースにおいて開催した最終報告会で発表し、併せてその中から学長表彰候補者が選考されました。

審査は以下の4名で行いました。
香川大学情報戦略室 松木則夫室長
香川大学デジタル化統括責任者 八重樫理人CDO
同補佐 米谷雄介CDO補佐
日本マイクロソフト株式会社 シニアスペシャリスト 中田寿穂氏

審査の結果、以下の取り組みが候補者として選考されました。

【最優秀賞】
「規程制定改廃申請システム」医学部総務課

従前はExcel形式の申請書をメールでやりとりして、内容をWordに転記してから大学本部に届け出をおこなっていました。これをFormsを用いた電子申請に変更し、SharePointのリストで管理をおこない、WordにはPower Automateで自動転記をおこなえるようにしました。これまでに起きていたヒューマンエラーがなくなり、処理時間も1/3に削減されました。DXを通じて業務の問題点や課題に気づくことができたと発表されました。

【優秀賞】
「支払処理業務支援システム」(農学部会計係)
「自動車入構許可申請システム」(幸町地区統合事務センター事務課(南)?情報システム課)
「イノベーションデザイン研究所の取組」(イノベーションデザイン研究推進課)

【特別賞】
「教職員誓約システム」(財務企画課?人事企画課?地域連携推進課?情報企画課)

報告会のはじめに香川大学デジタル化統括責任者の八重樫理人CDOがデジタルONEアンバサダー制度への期待について述べました。「テクノロジーの民主化」によりITの専門家ではなく現場担当者がローコード?ノーコードツールを用いた市民開発を行う上で大切な仕組みとして「フュージョン開発」を取り入れるべきだと言われており、「市民開発者」が困ったときに相談できる専門知識をもった「プロ開発者」を学内で雇用しつつ、全体をマネジメントする「ITプロフェッショナル」を配置し、この3者が連携することで、より良いシステムが開発できると紹介がありました。また業務のDXを通じて、部局によってバラバラな業務フローやルールが統一されるなど、「システムの標準化」と「業務プロセスの標準化」を通じて「業務の標準化」がされ、誰でも同じように業務ができることが良い大学につながるなどと話しました。